インプレッサの進化&WRC|インプレッサ改造車買取日記

■GRB前期後期<市販車>

■GRB前期後期<市販車>

■GRB前期後期<市販車> <市販車>

 これまでセダンが主流となっていたインプレッサだが、3代目となるGR型インプレッサは5ドアのボディとなって2007年10月に登場した。

 このSTIグレード専用となる5ドアハッチバックボディもラリーなどの競技ユーザーの声に応えるかたちで採用された。前後オーバーハングの短縮により、慣性モーメントを低減し、ホイールベースおよび前後トレッドの拡大で操安性が格段に向上。空力特性にも優れていた。

 エンジンは形式こそ従来どおりEJ20だが、吸排気バルブの開閉タイミングを連続的にコントロールするデュアルAVCSを採用したことにより、低中速域のトルク向上と高回転域でのレスポンスアップを両立している。自主規制の撤廃と、こうしたエンジンの改良により、最高馬力308ps/最大トルク43.0kg・m。

 そして電子制御化も進み先にレガシィで採用されていたSI-DRIVE(スバル・インテリジェント・ドライブ)も搭載。燃費重視のIモードからスポーツ走行でエンジンの性能を最大限発揮するS♯モードなど、走りのシーンに合わせて細かくエンジン特性を任意に変更できるようになった。駆動系はさらに進化したマルチモードDCCDと、新たにブレーキ制御やトラクションコントロールを行うマルチモードVDCが採用されている。このように走りの質がますます高まったGR型インプレッサだが、当初はこれまで設定されていた競技ベースとなるグレートがなかった。

 約2年後となる、2009年7月に待望の競技ベースグレード、WRX STI spec Cを追加発売。定番となったボールベアリングターボやインタークーラーウォータースプレー、車体の軽量化などが施されていた。

 その後、GRB型のビックマイナーチェンジはモデルライフを通じて1回のみ。それは2010年7月に迎えられた。内容はバンパーの形状変更とサスペンションアームの一部アルミ化などこれまでに比べると小規模だった。ただし、同時に4ドアセダンボディを設定。5ドアとは異なったボディバランスと空力特性で、速度域の高い競技シーンで好まれた。このビックマイナーでspec Cは一時姿を消してしまったが、同年12月に再び追加設定。基本モデルとなるWRX STI、上質な高級感のあるATモデルとなるWRX STI A-LINE、そして競技ベースのWRX STI spec C、とシリーズのラインナップが充実し、多様な走り好きの心を掴んだのである。

 GRBを大きく分類すると、2007年10月からの前期型と、2010年7月からの後期の2つとなる。FIAのホモロゲーションもGRBはここで分けられており、公認パーツも異なるので競技ユーザーは注意が必要である。